ヨーコとヒロシの日食観測

東京金環日食 (2012年6月21日)


25年前の沖縄金環日食以来、金環日食は10年前のテニアンに次ぐ3回目の体験だった。何と言っても特筆すべきは、どこへも出かけずにに自宅の玄関ポーチで見えたことだ。金環食帯が東京の真上を通っていた。前回関東で見えたのは173年前、次回は18年後(2030年)に北海道で見える。1ヶ月ぐらい前から朝7時半の太陽の方位角と高度を調べ、幸いにも第2接触と第3接触の間(約5分)は自宅からの観測に自信を得た。

当日は自宅玄関に陣取り、機材を設置した。しかし、天候が悪く一面の雲に覆われ太陽が見えない。西日本では晴れており、TVでは鹿児島、福岡で食が進行中であることを報じていた。時おり雲が薄くなると、雲を通して太陽が見える。

カメラは2台、ムービーが1台でこれらを並べて一人で操作した。雲がどんどん流れるので明るさが刻々と変化する。今回は事前に10万分の1の減光フィルタを準備していたが出番なし。撮影のタイミングを見つけられないまま前半は雲と共に過ぎて行く。

今回は観察用兼ファインダー代わりのピンホールカメラを作り、事前チェックは使い勝手もよく合格。これに8倍双眼鏡を同架しコリメート法でサイバーショットでムービー撮影。実効焦点距離は1120mm(35mmフィルム換算)。倍率が高すぎて、すぐに画面からはみ出してしまう。金環食前後の20分にわたり撮影した。

2台のカメラは実効1200mmおよび900mmである。それぞれ高濃度のフィルタを装着し万全の状態で待機。TVでは鹿児島、福岡で開始が放映されている。しかし雲は厚く太陽すら見えない。やがて食が始まる時刻になる。玄関から見える空は狭く写真撮影可能な視野は限られている。部分食が半分くらい進んだ頃から、時おり雲を通して太陽が見えるようになった。

減光フィルタが不要なくらいで、かといってフィルタなしでは明る過ぎる。結局、中間のフィルタをいろいろ変えながら撮った。雲のため満足な撮影は思うように出来なかったが金環食を十分堪能できた。第二接触は雲のため、肉眼で見ていたヨーコは見逃し、ヒロシはカメラのファインダーで見ていた。逆に第三接触の瞬間はヒロシが見逃し、ヨーコは成功。以後の部分食は比較的雲が薄くなってよく見えたので、9:02の第4接触まで撮影を続けた。こうして一生に一度だけの自宅日食は終わった。ヨーコいわく。今回は観測成功で、金環食は3戦3勝とのこと。下の写真の色はフィィルタの差による。


金環食の全経過写真(一眼レフ)

金環食のリング前後(サイバーショット)